Project

プロジェクト事例

AI/強化学習により空調の最適化を行い、 快適性を維持しながら大幅な消費電力の削減を目指します

【プロジェクト概要】

アラヤの自律エージェントチームは、深層強化学習を活用し、快適性を維持しながら従来の空調設備と比べて大幅な消費電力の削減を目指しています。

【プロジェクトの技術的背景】

アラヤでは自律エージェントの社会実装に向けて可能性のある領域をいくつか見定めており、空調最適化はその一つと位置づけております。
2019年現在、自律エージェントおよびその基盤技術である強化学習は、一般的には研究開発としての色彩が強く、実世界で運用されているサービスにおいて強化学習ベースのものは少ないのが現状です。

【プロジェクトの社会的背景】

空調最適化とは、空調機能の性能を犠牲にせず、省エネ・省コスト・省CO2の課題を解決すること、もしくはエネルギー消費を増大させずに空調性能を高めることです。空調最適化により消費エネルギーを削減することは、コストの観点からも環境的観点からも重要です。建築業界ではZEB (Net Zero Energy Building)、つまり「建物の運用段階でのエネルギー消費量を削減し、限りなくゼロにする建物」の実現を目指しています。

アラヤでは、深層強化学習/自律エージェント技術を空調に応用することで、店舗やオフィスビル、データセンターなどのそれぞれで求められる空調の最適化を実現することを目指しております。

【強化学習により「空調システムが自律的に動く」】

AIの最先端技術「強化学習」を用いて、ロボットなどが自ら状況を判断しタスクを遂行する(自律エージェント)ことを目指しています。空調の場合、設定温度やエネルギー削減目標、快適性指標などを共有することで、空調最適化をエージェントが進めてくれます。

 

【強化学習を実現するためのシミュレーション】

自律エージェントが学習していく段階で、最初は試行錯誤が欠かせません。シミュレータ上で学習プログラムが試行錯誤を繰り返すことで学習し、良い制御モデルができます。その後、学習させたモデルを実際の建造物に適用します。

 

(シミュレータの例)EnergyPlus, the BEST program, WCCBO, 自社開発のシミュレータ

【空調制御における強化学習のメリット】

空調制御において強化学習を活用することには、多彩な入力データが活用できる、柔軟な目的指標が設定できる、データドリブンでパラメータ設定ができる、といったメリットがあります。

 

【現状の成果例:EnergyPlus上での空調最適化を実現】

シミュレータ上で、データセンターを模した建築物の空調を最適化する設定で、自律エージェントには「23.5度±1度の範囲に室温を収めた上で、消費エネルギーを削減する」という目標を与えて学習を行わせました。試行錯誤を実行させた結果、学習が進むにつれ、室温を安定させられるような制御方法を学習できました。
(※図中の「40年」は、シミュレーション環境において多くの試行錯誤を繰り返したことを表すものであり、実際の学習は数時間で完了しました。)

 

【今後に向けて】

現在はシミュレーション環境での開発を進めていますが、今後は実環境での実験を通した開発が重要になります。アラヤのAI/強化学習技術を生かして一緒に開発を進めてくださる建築・業界・空調業界のパートナー企業さまを募集しております。