消耗品製造における原材料の品質検査

はじめに

アラヤでは、ディープラーニングを活用した画像認識技術で、お客様のさまざまな業務課題を解決します。
ここでは、消耗品製造における原材料の品質検査にAIを導入した事例についてご紹介します。

AI導入前の課題

ご依頼いただいた企業様では従来、製造ラインで流れてくる原材料(植物)にまれに混入する微細な異物を、検査員が目視で発見する必要がありました。

そこで、次のような課題をお持ちでした。

課題

1. 検査員による目視での発見が難しい
1mm程度の微細な異物を検査員が目視で検査する必要があり、発見するのが難しいという課題がありました。

2. 既存の検査装置では対応できない
異物が微細であることに加え、原材料・異物ともに、複数の種類や色が存在し、形状も不特定なため、ルールベースの画像検査装置では対応できませんでした。

3. 工場・ラインごとに条件が異なる
お客様は、複数の工場・ラインをお持ちで、それぞれにおいて、異物の種類やコンベアのスピード、検査員のスキルなどが異なるという課題がありました。

AI導入後の効果

上記の課題を解決するため、製造ライン上に設置した固定カメラと、良品/不良品を判定するAIアルゴリズムを導入することで、高い品質での検品無人化を実現しました。

また、複数の工場・ラインへの対応をお客様自身で実施可能なトータルシステムを導入しました。

具体的には、以下のような効果が得られました。

効果

1. 異物検出の自動化
AIにより、スキルの高い作業員と同等の検査品質を実現しました。

2. 複数種類の原材料・異物に対応
AIでの学習により、複数種類の原材料や異物の検出に対応させることができました。

3. 異なる条件の他工場/ラインへお客様自身で対応可能
異物の種類やコンベアのスピードが異なる他のラインへの対応もお客様自身で実施可能なシステムを導入しました。

AI開発時の工夫点1:段階的な精度向上を実現

検査対象の原材料やそこに含まれる異物には、それぞれ複数の種類・色が存在し、形状も不特定でした。
一度にあらゆる原材料・異物に対応するのは現実的ではないため、段階的に対象を広げ、精度を向上させることにしました。具体的には、原材料と異物の学習データ量の適切な比率を探索し、段階的にアルゴリズムをチューニングしながら目標精度を達成させました。

また、上記の施策には、アラヤのエンジニアが実際に現場を訪問し、原材料・異物の実物を確認しながら、お客様と具体的な実現方式を相談してプロジェクトを遂行しました。

AI開発時の工夫点2:誤検知率を低減させるための施策を実施

誤検知率を低減させるために、以下のような施策を行いました。
検査対象を動画で撮影し、各フレームごとにAIが異物の有無を判定。そのうえで「本当の異物であればAIが複数回連続で異物であると判断する」という根拠に基づき、1フレームのみでの異物の検知(=誤検知)を排除しました。   
これにより、お客様と設定した目標誤検知率0.04%を達成させました。(検出率は約80%)

AI開発時の工夫点3:お客様の運用を考慮したシステム導入

AI導入後も、お客様において原材料と異物の種類が変化・増加するため、お客様自身で対応する原材料と異物を変えられるための追加学習が行えるシステムを構築しました。
その際、AIに詳しくない方でも、アノテーション(データのタグ付け)作業が効率的に行なえ、また、精度の検証や妥当性の判断をしやすい仕組みにしました。

また、現場(製造ライン)での業務プロセスを考え、統合コントローラー(PLC)と連携し、異物が検出された際に、コントローラーがアラートを鳴らし、コンベアを停止するといった運用を実現しました。

まとめ:製造ラインでの外観検査にAIの導入をご検討中の方へ

製造ラインでの製品や原材料の外観検査(検品)へのAI導入については、ぜひアラヤにご相談ください。
例えばAI導入に向けて以下のような課題をお持ちの場合でも、解決手段がないか、じっくり検討のうえ、アドバイスいたします。
・既存の検査機では自動化・無人化ができず、人手の作業を行っている場合
・現場での運用プロセスに合ったシステムを導入したい場合
・検査すべき対象物・ラインが複数あったり、検査方法が変わることがあったりし、お客様ご自身で変更に対応できるようにしたい場合 など