検品業務への画像認識AI活用

検品業務への画像認識AI活用

1. 検品とは

検品とは、物流・運送業界、小売・流通業界や、製造業などにおいて、製品・商品に欠陥や不備がないかを確認する作業で、品質確保のために重要なプロセスです。例えば不良品を出荷してしまうと再納品のコストがかかってしまうだけでなく、納品先からの信頼損失につながることにもなります。
検品業務は大きく分けると、「入荷検品」と「出荷検品」に分類できます。

入荷検品とは

入荷検品とは、工場における原材料や部品等の入荷や、物流拠点における商品の入荷の際に行う確認作業です。内容物があらかじめ決められた内容・数かどうかや、破損がないかなどを確認することが目的です。もし入荷検品を行わない、もしくは入荷検品にミスがあると、在庫台帳と実際の在庫に誤差が生じたり、使用する際に欠陥を見つけ製造プロセスを止めることになったりしてしまいます。

出荷検品とは

出荷検品とは、工場における製品の出荷や、物流拠点における商品の出荷時に行う確認作業です。製品に傷や汚れなどの欠陥がないかや、商品の内容・数が正しいかを確認します。出荷検査にミスがあると、回収・再配送などの無駄な作業やコストを要するだけでなく、納品先のメーカーや企業の信頼を損ねるリスクにもつながります。

2. 検品作業の課題

検品業務の多くは、人手によって行われているのが実情です。例えば、製品に凹み・キズ等が無いかを、人が実際に手に取って確認するケースが多くあります。
また、伝票と内容物が一致しているかの確認については、検査員が納品書とピッキングされた商品を照合し、品番や数量、欠陥の有無などを確認します。多くの場合、多種多量の製品・商品を扱うため、どうしてもチェック漏れや見逃しなどの人為的なミスが発生しやすくなります。こうした人為的ミスを防ぐ方法に、バーコード・QRコードやハンディターミナルを活用する方法もありますが、機器購入コストなどの問題があります。また、バーコードの貼付が難しい商品や、バーコードの破損・汚損などで読み取りにくいケースもあります。

3. 検品の効率化・自動化をアラヤの画像認識AIで実現

アラヤの画像認識AI技術により、検品システムの効率化・自動化を実現します。アラヤが提供する検品システムは、これまで培ってきたAIアルゴリズムのノウハウを結集し、これまでの検品ミスなどの課題を解決します。
ここでは、検品業務へのAI活用事例を3つご紹介します。

製品の凹み・キズ等の検品

主に製造業では、生産ラインで発生する製品や部品の凹みや傷、汚れなどの欠陥を発見し、異常品を排除するための外観検査を行います。この外観検査は、人による目視検査が一般的で、以下のような課題があります。
・検査員の人手不足に伴い、検査のための人員確保が難しい
・検査品質が、検査員のスキルに依存する
・判断基準が人により異なるため、結果にばらつきが生じる

AIによる検品イメージ

これらの課題に対し、アラヤの画像認識AI技術を導入することで、検品業務を大幅に改善します。対象物をカメラで撮影し、表面の凹みや傷を認識し、異常を検知します。
従来人が対象物を持ち上げて複数面の確認が必要な検査も、カメラを複数方向から撮影しAIが同時に検査することで自動化を実現できます。
PLC(制御装置)と連携可能なため、異常を検知した際には、ラインを停止したり、NGレーンに排出したりすることも可能です。

製品の凹み・キズ等の検品(外観検査)へのAI活用については以下の記事も参照ください。
外観検査のAIを活用した自動化とは
AIを活用した食品製造の外観検査とは
AIを活用した金属製品・金属部品の外観検査とは

難読なバーコードの読み取り

入荷・出荷の管理や仕分け作業に、バーコードやQRコードの読み取りを採用するケースも多くあります。段ボールや商品に貼付されたバーコードから情報を取り込むことで、スムーズに在庫管理が行えるというメリットがあります。
バーコードによる検品は、ハンディターミナルでバーコードを読み取りデータを管理するシステムが主に使われています。一方、このシステムは、高価なハンディターミナル機器のコストを要します。また、読み取り作業では、バーコードが破損・汚損してしまう場合や、梱包・包装用のビニールで光が反射する場合など、読み取りが困難なケースも多くあります。そのため、バーコードの読み取りを何度も行う、データを手打ちするなどで作業効率が低下してしまいます。

AIによる難読なバーコードの読み取り

これらの課題に対し、アラヤの画像認識AI技術を導入することで、バーコードの読み取り精度を向上させ、検品業務を大幅に改善します。具体的には、バーコードを検出し、破損や反射などの状態に応じてAIが自動で補正やベストショットの選定を行うため認識精度が向上します。さらに、高価なハンディターミナルの代わりに安価なモバイル端末(スマートフォンなど)を活用できるのでコスト面でのメリットもあります。

文字ラベルの読み取り(OCR)

バーコード以外にも、商品のラベルにある「文字情報」を読み取って検品するケースがあります。例えば、デザインは似ているがバージョン違いなど異なる荷姿(商品)の場合は、長い製品コードから区別する必要があります。この場合、人が1点ずつ文字を読み取る必要があり、正確な検品のため作業に時間を要するなどの課題があります。

この課題に対し、アラヤの画像認識AI技術を導入することで、文字ラベルの読み取り自動化を実現できます。画像認識AIシステムでは、ラベル上の読み取るべき文字を検出し、OCR技術により文字画像からデジタルの文字情報に変換します。読み取りから判別までの作業を自動で行い、素早く正確な検品が可能になります。
以下は、ラベル上の文字を自動で読み取っている様子のデモ動画です。

4. まとめ

この記事では、検品業務へのAI活用について解説しました。アラヤでは、検品業務へ画像認識を始めとしたAI技術導入をサポートします。お気軽にご相談ください。

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