2021.05.06 お知らせ

GoodAI助成金による新しい研究を始めます

株式会社アラヤのリサーチチームは、チェコの国際的な研究開発企業GoodAI社の助成金を受け、オープンエンド・アルゴリズムを使用したテレビゲーム『スペース・エンジニア』のコンテンツ生成に取り組みます。

取り組む研究の概要
オープンエンドの(制約の無い)アルゴリズムは、常に新しい解決策を探し続ける発散型の探索プロセスです。アラヤの研究者のカイ・アルルクマレンが率いる新しいプロジェクトの目的は、計算による創造性や人間と機械の協調設計におけるオープンエンド・アルゴリズムの力を調査することです。このプロジェクトは、研究開発企業であるGoodAI社から資金提供を受けています。

このアルゴリズムは、テレビゲーム『スペース・エンジニア』の、人間にとって視覚的に魅力的で機能的なゲーム内コンテンツ(宇宙船や宇宙ステーションなど)を生成するために使用されます。研究チームは、ゲーム開発者やプレイヤーがコーディングなしでアルゴリズムを使用し、将来的な改良のためのフィードバックを提供できるような視覚的なインターフェースを作成します。

このプロジェクトは、カイ・アルルクマレンがこれまで行ってきたGenerative Adversarial Networks(生成的敵対的ネットワーク)の研究を基に、Minimal Criterion Coevolution(MCC:最小基準の共進化)アルゴリズムを改良してデジタルアート(画像や音声)を生成することを目的としています。しかし、アートとは異なり、ビデオゲームのコンテンツは、プレイヤーにとって魅力的であるためには、機能性という付加的な制約を満たさなければなりません。

アラヤの研究チームリーダーであるカイ・アルルクマレンのコメント:
「自然の進化は、あらゆる種類の生態学的ニッチを満たす、数多くの素晴らしい生物を生み出してきました。この研究の目的は、相互作用するエージェントの集団を使って、このパワフルでオープンエンドなプロセスを再現し、それを創造的な目的に利用することです。このプロジェクトでGoodAI社と協力し、AIの理解と実用化の両方を進めることができることを嬉しく思います。」

GoodAIのCEO兼CTO マレク・ローザ氏のコメント:
「カイのシステムは、我々のBadgerアーキテクチャと2つの大きな共通点があります。それは、マルチエージェントであることと、オープンエンドであることです。彼は、オープンエンドの生涯学習を実現するためにはマルチエージェント構造が必要であるという仮説に基づいており、これは当社の研究チームにとっても非常に興味深いことです。同時に、このプロジェクトの成果のひとつであるゲームコンテンツ作成ツールによって、開発者はもちろん、願わくばプレイヤーも『スペースエンジニア』で新しいレベルのコンテンツ作成が可能になると期待しています。カイの斬新なアプローチと、科学的探求のためにアートを媒体として使用することに焦点を当てていることに感銘を受けています。」

GoodAI社について
GoodAIは、人類を助け宇宙を理解するために、汎用人工知能を、可能な限り早く開発することを目的とした、プラハに拠点を置く研究開発組織です。2014年1月にCEO/CTOのマレク・ローザが1,000万ドルの個人投資をして設立され、現在は30人以上の研究者、エンジニア、コンサルタントが各部門で活躍しています。

今回の助成金はGoodAI Grantsの一環で、GoodAI Grantsはこれまでに60万ドル以上を助成していて、GoodAIのBadgerアーキテクチャに関連する問題を解決している世界中の研究グループを支援しています。各研究助成金は、GoodAI研究チームの活動と合わせて、AIの基礎研究に貢献し、全体として高度でますます人間に近いAIへのロードマップのギャップを埋めるというビジョンを持っています。

Na Petynce 213/23b, 169 00, Prague, Czech Republic
https://www.goodai.com/

GoodAI社によるリリースはこちら(英文)
アラヤのリサーチの取り組みについてはこちら